今回は、「氷の城壁」第67話「理解」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。
前話については、こちらの「氷の城壁」第66話「価値観」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。
「氷の城壁」第67話「理解」のあらすじネタバレ
美姫が陽太の好意に気づいてしまったと体育祭の後も波乱が続く第67話。
かつて小雪にレクチャーした恋愛のアドバイスが、あまりにも痛かったと、恋愛はこうだと知っているつもりでアドバイスしたことを恥ずかしく思っていました。
五十嵐が苦手だったのに、小雪に好きなだけありがたいだのと、彼女の気持ちを考えずに言ってしまったと、後悔する美姫。
陽太との関係で悩んで何も出来ない自分が、あんな風に言ってしまうなんてと、自分は無神経に他人を傷つけてしまうのだと、自己嫌悪に陥ってしまっています。
そんな美姫を心配し、小雪は陽太に相談する事に。
そして陽太は、きっぱりと言ってしまいます!
「美姫にバレた」
と。
硬直する小雪は絶句してしまいます・・・
以上、第67話「理解」のあらすじネタバレでした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

「氷の城壁」第67話「理解」のネタバレ感想考察
第67話は、これまで周囲の恋を応援する立場だった美姫が、自分自身の感情に直面したことで過去の言動を振り返り、激しい自己嫌悪に陥ってしまうという、非常に人間味に溢れた内面の葛藤が描かれました。
小雪に対して「恋はこうあるべきだ」と自信満々にアドバイスしていた自分を恥じる美姫の姿は、とても切実です。自分が当事者になって初めて、理屈ではどうにもならない恋の難しさや、相手に踏み込むことの恐ろしさを知ったのでしょう。かつて小雪にかけた言葉が、実は無神経に彼女を傷つけていたのではないかと、一人で自分を責め続ける美姫の繊細さが痛いほど伝わってきました。
一方で、物語の最後に陽太が放った一言が、これまで澱んでいた空気を一気に切り裂きました。隠し通すことも、誤魔化すこともせず、「バレた」と言い切った陽太の潔さと、それを受けて絶句する小雪。この緊張感あふれるラストシーンは、二人の関係がもう「これまで通り」にはいかない決定的な一線を超えたことを示しており、息を呑むような衝撃を覚える回でした。
無垢ゆえの傲慢と自己嫌悪
小雪に対して恋愛論を語っていた過去の自分を「無神経だった」と激しく後悔する美姫の姿が、非常に印象的なエピソードでした。
かつての彼女は、親友を想うあまりに「好きな人がいるだけありがたい」といった正論をぶつけていましたが、自分が恋の当事者になったことで、その言葉がいかに残酷な重みを持っていたかを痛感しています。
五十嵐が苦手だった小雪の繊細な心に、土足で踏み込んでしまったのではないかという自責の念。
この自己嫌悪は、美姫が他人の痛みを自分のことのように感じられる、真に優しい心の持ち主であることの裏返しでもあり、彼女の人間としての深みがより一層増したように感じられました。
城壁の外で揺れる心
これまで「氷の城壁」の外側にいて、小雪の手を引いてあげていた美姫が、皮肉にも今度は自分自身の恋に翻弄され、立ち止まってしまう展開は非常にドラマチックです。
陽太との関係をどう定義し直せばいいのか分からず、何もできないまま悩み続ける彼女は、かつて自分が救い出そうとしていた頃の小雪の姿に重なります。
他人のことなら冷静に見えても、自分のことになると途端に足元が覚束なくなる。
そんな美姫の不器用さは、彼女を完璧な「ヒーロー」ではなく、等身大の「一人の少女」として描き出しており、より一層読者の共感を誘う描写になっていました。
衝撃の告白と絶句
ラストシーンで陽太が小雪に対して放った「美姫にバレた」という言葉は、物語の空気を一瞬で凍りつかせるほどの破壊力がありました。
小雪を心配させまいと取り繕うこともできたはずの陽太が、あえて全てを認めるような潔い言い方をしたことに、彼の覚悟と絶望が入り混じった複雑な心境が透けて見えます。
親友同士である美姫と小雪の間に流れる信頼関係を知っているからこそ、小雪が絶句してしまうのも無理はありません。
友情のバランスが崩れ、秘密が白日の下にさらされた瞬間。三人の関係性が修復不可能なほどに揺れ動く、凄まじい緊迫感に満ちた幕切れでした。
以上、第67話「理解」の感想考察でした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。


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