今回は、「氷の城壁」第44話「進歩・足踏み」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。
前話については、こちらの「氷の城壁」第43話「自覚」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。
「氷の城壁」第44話「進歩・足踏み」のあらすじネタバレ
第44話は霜島月子と、小雪と同じ図書委員とお昼ご飯を過ごしているところから始まります。
どうやら月子はクラスで孤立しているみたいです。
以前は教室で食べていたけど、今は図書室で一人でご飯を食べていると語り、みんなのグループの輪に入る事が出来ないと、月子も色々と問題を抱えているようです。
いつの間にか大所帯になってしまい、暗黙の了解として、みんなが揃うまで食べられないと、モヤモヤする空気に耐えれず、一人でお弁当の時間を過ごすことになった月子と、小雪はその話を聞いて、すっごく共感してくれました。
月子もまさか共感してくれるとはと、小雪の抱えていた、人付き合いが苦手な部分を知ってしまいます。
以前からそんな感じがしていたと、小雪の意外な一面を知った月子。
もっと早くに話せれば良かったと、小雪と月子はお互いの距離を縮めていきました。
このまま友達になれればいいですね。
以上、第44話「進歩・足踏み」のあらすじネタバレでした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

「氷の城壁」第44話「進歩・足踏み」のネタバレ感想考察
第44話は、小雪と月子という、似た痛みを持つ二人が静かに共鳴し合う、とても繊細で温かいエピソードでした。
クラスのグループ特有の「みんなが揃うまで食べられない」という暗黙のルールや、大所帯ゆえの息苦しさに耐えかねて図書室へ逃げ込んだ月子のエピソードは、人付き合いに慎重な人なら誰もが深く共感してしまうリアルな悩みです。
月子にとって、その孤立は決して望んだものではなく、自分を守るための精一杯の選択だったはずです。
そんな彼女の告白に対し、小雪が「すっごく共感」した場面は、二人の間にあった見えない壁が溶けた瞬間でしたね。
月子が感じていた「小雪も自分と同じ側ではないか」という予感は、小雪自身の言葉によって確信に変わりました。
かつて小雪が感じていた人付き合いの難しさが、今は誰かを孤独から救い、理解者となるための力になっていることに感動を覚えます。
「もっと早くに話せれば良かった」という月子の言葉は、これまで一人で抱えてきた不安が消え、ようやく安心して息ができる居場所を見つけた安堵感の表れでしょう。
図書室という静かな空間で、派手なドラマではないけれど、深く確かな絆が芽生え始めたことが伝わってくる、素敵な対話でした。
この二人が、お互いにとって気を遣いすぎない、等身大の友達になれることを願わずにはいられません。
教室という「輪」から零れ落ちた月子の孤独
教室のグループという「輪」は、一度入ってしまうと抜け出すのが難しく、またその中にいても常に同調圧力を感じてしまう、ある種の窮屈さを孕んでいます。
月子が感じていた「みんなが揃うまで食べられない」という暗黙のルールへのモヤモヤは、些細なようでいて、毎日の積み重ねとなると心を確実に削っていくものです。
大所帯になればなるほど、個人の意思よりも「グループとしての正解」が優先されてしまう。そこから逃れるために図書室で一人になることを選んだ月子の行動は、消極的な避難ではなく、自分自身の平穏を守るための切実な決断だったことが伺えます。
誰かと一緒にいるのに孤独を感じるよりも、一人でいる孤独の方がまだ呼吸がしやすい。
そんな彼女の抱えていた静かな苦しみは、今の学校生活のリアルな側面を鋭く切り取っていました。
小雪の共感が溶かした、孤独な二人の境界線
小雪が月子の悩みに心から共感した瞬間は、二人の間にあった「図書委員の同僚」というビジネスライクな境界線が消え、心の深い部分で繋がった劇的な場面でした。
月子にとって、自分の抱える息苦しさは他人に理解されにくい「自分だけの問題」だと思っていたはずです。
しかし、小雪がこれまでの経験からくる実感を込めて応えたことで、月子は初めて「自分は間違っていなかった」と肯定された気持ちになったのではないでしょうか。
小雪自身の「人付き合いが苦手」という、かつては弱みだと思っていた部分が、月子の孤独に寄り添うための架け橋になったという展開は、非常に感動的です。
お互いに「実は私も……」と打ち明け合えたことで、張り詰めていた心の緊張が緩み、二人の間に穏やかで優しい空気が流れ始めたのが印象的でした。
図書室から始まる、背伸びをしない新しい友情
図書室という静かな空間で、ひっそりと育まれ始めた二人の絆は、今の小雪にとっても月子にとっても、一番求めていた理想的な友情の形のように見えます。
賑やかな教室での付き合いとは違い、無理に話題を探したり、グループの顔色を窺ったりする必要のない関係。
お互いが「人付き合いが苦手」であることを隠さずに共有できたからこそ、相手に対して過度な期待もせず、等身大の自分でいられる安心感がそこにはありました。
「もっと早くに話せれば良かった」という言葉の裏には、これまで孤独という壁を作って自分を守ってきた二人が、ようやくその壁を少しだけ低くして、外の世界と手を繋げたという確かな成長が感じられます。
派手な出来事ではなく、静かな対話から始まるこの新しい友情が、学校という少し窮屈な場所で二人を支える大切な「隠れ家」になっていくことを予感させる、とても温かな結末でした。
以上、第44話「進歩・足踏み」の感想考察でした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。


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