今回は、「氷の城壁」第43話「自覚」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。
前話については、こちらの「氷の城壁」第42話「等し並み」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。
「氷の城壁」第43話「自覚」のあらすじネタバレ
今回のお話では、湊が抱いている小雪への想いが赤裸々に語られていきます。
小雪に対して特別な感情を抱いていた湊。
彼女にはもっと笑っていて欲しいと、自分の前で笑ってくれたことに、胸の奥が熱くなった衝動は、恋なのか、それとももっと別な何かなのか、その気持ちは解りませんが、彼女に対する気持ちは、
「ちゃんと理解したい」
「仲良くなりたい」
「笑って欲しい」
ただそれだけを求めていた湊。
自分の好意を伝えることに、どこか怯えている様子です。
ただ彼女が笑って、友達でいてくれるだけで、とても幸せな湊。
でもそれ以上に彼女への想いを拗らせてしまう湊と、彼の想いは複雑に昂ぶりそうな感じです。
そんな中で陽太もまた美姫に対して、好意を寄せているみたいで、彼女に告白出来ずにいる中で、なんと美姫が尋ねてきます。
「好きな人っているの?」
この問いに陽太はどう答えるのでしょうか?
以上、第43話「自覚」のあらすじネタバレでした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

「氷の城壁」第43話「自覚」のネタバレ感想考察
第43話は、湊の心の奥底にある、繊細でどこか危ういほどの「好意」の形が浮き彫りになる、非常に濃密な回でした。
湊が小雪に対して抱いている「笑ってほしい」「理解したい」という願いは、一見するととてもシンプルで純粋なものです。
しかし、彼女の笑顔一つで胸が熱くなり、制御できないほどの衝動を覚えてしまう自分に、彼自身が戸惑い、怯えている姿が痛々しいほどでした。
「ただの友達」という今の幸せな関係を守りたい一方で、どうしてもそれ以上のものを求めて拗らせてしまう。
湊の誠実さゆえに、自分の好意が彼女の負担になることを恐れ、踏み出せずに葛藤する独白には、読んでいて胸が苦しくなるような切実さがありました。
そんな湊の静かな自覚とは対照的に、陽太の周りでは事態が急激に動き出しましたね。
美姫への好意を秘めたまま、なかなか言い出せずにいた陽太にとって、美姫からの「好きな人っているの?」という問いは、あまりに無防備で、かつ逃げ場のない一撃だったはずです。
イメチェンを経て、自分らしくなり、以前よりもずっと真っ直ぐな視線を向けてくるようになった美姫。
そんな彼女を前に、陽太が自分の本当の気持ちをどう言葉にするのか、その一瞬の沈黙に手に汗握る思いです。
湊の深まる想いと、陽太に突きつけられた選択。それぞれの恋が、もう「隠しておける段階」を過ぎようとしていることを強く予感させるエピソードでした。
湊が抱く「小雪への想い」の正体
湊が自分自身に問いかけるように語った小雪への想いは、単なる「好き」という言葉では片付けられないほど、多層的で深いものでした。
彼が求めているのは、彼女を独占することや付き合うことといった形のある結果ではなく、
「ちゃんと理解したい」
「もっと笑ってほしい」
という、相手の内面に深く寄り添いたいというあまりに純粋な欲求です。小雪がふとした瞬間に見せてくれる笑顔に、理屈を超えて胸が熱くなってしまう衝動。
それは、これまで周囲と器用に、けれどどこか薄く関わってきた湊にとって、初めて触れる「自分でも制御できない本物の感情」だったのだと感じます。
その想いを「恋」と名付けることさえためらうような、大切に、壊さないように扱おうとする湊の姿勢に、彼の誠実さと、小雪という存在が彼に与えた影響の大きさが凝縮されていました。
友達という幸せと、拗らせていく独占欲
「友達でいられればそれでいい」という言葉は、一見すると謙虚ですが、その裏には「今の距離さえ失いたくない」という湊の切実な恐怖が隠れています。
小雪と一緒にいられること、彼女が隣で笑ってくれること。
その今の幸せを壊さないためには、この想いを心の中に閉じ込めておくのが正解だと湊は必死に自分に言い聞かせています。
しかし、想いが深まれば深まるほど、ただの友達という枠組みでは収まりきらなくなり、自分の知らない彼女の表情や時間を求めてしまう。
その抑えきれない「もっと近くにいたい」という欲求が、彼自身を苦しめる「拗らせ」へと変わっていく様子が、非常にリアルで切ないです。
大切だからこそ現状維持を望む心と、大切だからこそ独占したくなる本能。
その矛盾に引き裂かれそうになりながらも、彼女の前では「良き友人」であろうと努める湊の姿は、あまりにも健気で、見ていて胸が締め付けられます。
美姫からの直球すぎる「好きな人」への問い
美姫からの「好きな人っているの?」という問いかけは、あまりにも唐突で、そしてあまりにも残酷なほど真っ直ぐでした。
これまで、周囲の顔色を窺い、自分を偽って生きてきた美姫が、自分の足で立ち、ありのままの姿で陽太に向き合ったからこそ放たれた言葉。
そこには、以前のような遠慮や計算はなく、ただ純粋に「相手を知りたい」という彼女の変化した強さが表れています。
しかし、その問いを受ける陽太にとっては、まさに不意打ちでした。ずっと隠し続けてきた、大切で壊れやすい好意を、あんなに澄んだ目で見つめられながら引き出されそうになる。
この一言は、これまで仲の良い友人同士として保たれてきた二人の心地よいバランスを、一瞬で終わらせてしまうほどの破壊力を持っています。
美姫の自覚のない無邪気さと、陽太の隠しきれない動揺。このコントラストが、二人の関係がもう後戻りできない場所まで来ていることを鮮烈に物語っていました。
以上、第43話「自覚」の感想考察でした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。


コメント