今回は、「氷の城壁」第83話「信奉者」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。
前話については、こちらの「氷の城壁」第82話「本心」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。
「氷の城壁」第83話「信奉者」のあらすじネタバレ
優希に付いてきて欲しいと頼まれてしまった小雪と、何処かに案内されてしまう第83話は秋音と対面する事から始まります。
どんな話かと警戒する小雪。
これは無理もありません、何せ相手は因縁のある真夏の妹と、警戒してしまう小雪ですが、秋音は申し訳なさそうに桃香の暴走を謝罪してきました。
今回の桃香と湊が付き合った経緯には、自分に責任があると、桃香の告白を後押ししてしまった事を詫びてきます。
そして優希は小雪に気があると、二人の仲を手伝おうと、余計なことをしてしまったと詫びてきます。
頭が混乱する小雪に、秋音は静かに語りました。
自分は優希が幸せになって欲しいと言い、彼の好きな人と結ばれればと、そんな事を願っていた秋音。
彼女の想いとは?
以上、第83話「信奉者」のあらすじネタバレでした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

「氷の城壁」第83話「信奉者」のネタバレ感想考察
第83話は、これまで小雪を苦しめてきた「因縁」の渦中にある秋音と優希、そして桃香という異なる視点が交差し、事態の裏側が露わになる衝撃の展開でした。
真夏の妹である秋音との対面という、小雪にとって最も警戒すべき状況から始まりましたが、そこで語られたのは敵意ではなく、予想外の「謝罪」でした。
桃香の暴走とも言える告白を後押ししてしまった責任を感じ、頭を下げる秋音の姿には、彼女もまた複雑な人間関係の中で迷い、善意が裏目に出てしまったことへの苦悩が見て取れます。
特に印象的だったのは、秋音が語る優希への献身的な想いです。
優希が小雪に好意を寄せていることを察し、彼の幸せを願うあまりに、小雪と優希をくっつけようと画策してしまった。
その「余計なお節介」が、結果として桃香の焦りを生み、湊を巻き込む最悪のタイミングでの告白に繋がってしまったという因果関係は、あまりにも皮肉です。
誰かの幸せを願って動いたはずの行動が、回り回って小雪や湊の平穏を奪う形になってしまった事実に、秋音自身が深く傷ついている様子が伝わってきました。
自分の知らないところで、誰かの「善意」や「執着」が絡み合い、自分の恋の行方が左右されていたことを知った小雪の混乱は、察するに余りあります。
秋音の想いは純粋に優希を信奉するがゆえのものかもしれませんが、それが周囲に与えた影響はあまりに甚大でした。この「信奉者」というサブタイトルが示す通り、誰かを想う熱すぎる気持ちが、時に毒となって他者の人生を狂わせてしまう。
秋音の静かな告白によって、小雪は単なる失恋以上の、人間関係のままならなさと残酷さを突きつけられたように感じます。
この告白を受けて、小雪が優希や湊、そして桃香に対してどのような感情を抱くようになるのか、物語の根幹を揺るがす重要なエピソードでした。
善意が招いた「最悪の連鎖」
秋音が優希の幸せを心から願い、小雪との仲を後押ししようとした純粋な「善意」が、皮肉にも桃香の焦りを生み出し、湊への強引な告白を引き起こす引き金となってしまいました。
誰かを想って動いたはずの行動が、結果として湊と小雪の繊細な関係を根底から壊すという最悪の事態に繋がってしまった。
その残酷な因果応報を突きつけられた秋音の、隠しきれない罪悪感と逃げ場のない深い苦悩が、物語の重苦しさを際立たせています。
「信奉者」としての危うい献身
サブタイトルの通り、優希を絶対的に信奉する秋音の献身的な姿勢が浮き彫りになりました。
彼の笑顔が見たい、彼に幸せになってほしいという一心で、周囲をコントロールしようとする彼女の愛は、非常に一途でありながら、他者の感情や立場を置き去りにしかねない危うさを孕んでいます。
自分の「お節介」が誰かの人生を狂わせたと知りながら、それでも優希という存在に心酔し、彼のために動き続ける彼女の孤独な決意は、美しくもどこか寒気を覚えるほどの迫力がありました。
知らないところで歪められた現実
自分の預かり知らない場所で、誰かの「善意」や「執着」によって自分の運命が勝手に書き換えられていた事実を知った小雪の衝撃は、計り知れません。
湊が桃香と付き合った裏に、これほどまでにドロドロとした複雑な事情があったと知り、彼女の頭の中は混乱と困惑で埋め尽くされています。
自分の「城壁」を必死に守り、平穏を保っていたつもりでも、実は知らないうちに外側から他人の想いによって城壁を崩されていたという残酷な事実に、彼女はただ立ち尽くすしかありませんでした。
以上、第83話「信奉者」の感想考察でした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。


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