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「氷の城壁」第16話「距離」のネタバレ感想考察

「氷の城壁」第16話「距離」のネタバレ感想考察

今回は、「氷の城壁」第16話「距離」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。

前話については、こちらの「氷の城壁」第15話「矢印」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

目次

「氷の城壁」第16話「距離」のあらすじネタバレ

試験期間の早朝、静かな通学路を好んで一人登校していた小雪は、背後から突然湊に話しかけられます。

気まずい沈黙を埋めようとした湊は、共通の話題として、他校(N高)のサッカー部員で小雪と同じ中学出身の「五十嵐くん」の名前を出しました。

しかし、その名前を聞いた途端、小雪の表情は凍りつきます。

中学時代の苦い記憶を思い出した小雪は「接点は全くなかった」と話を切り捨てますが、心の中では五十嵐との再会を恐れ、彼と親しげな湊とも「距離を置いた方がいい」と考え始めます。

昼休み、職員室で先生に勉強を教わっていた小雪は、「10代を楽しみなさい」と追い出されてしまいます。

ロッカーで授業の準備をしていると、友人たちに囲まれた湊と遭遇。

やり過ごそうとする小雪でしたが、湊は周囲の視線も構わず大きく手を振り、さらには駆け寄って「連絡先教えて♪」と一気に距離を詰めてきます。

美姫の気持ちへの疑念や、過去のトラウマである五十嵐の影。

周囲と距離を置こうと決意した矢先に、容赦ないコミュ力で踏み込んでくる湊のペースに、小雪はただ圧倒され苦笑いするしかありませんでした。

以上、第16話「距離」のあらすじネタバレでした。

次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

まとめ記事

>>「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察

「氷の城壁」第16話「距離」のネタバレ感想考察

タイトルの通り、小雪が必死に保とうとする「心の境界線」を、湊が圧倒的な社交性で軽々と飛び越えてくる、その温度差がヒリヒリと伝わってくる回でした。

まず、湊が放った「五十嵐」という名前が、小雪にとっての特大の地雷だったシーンが衝撃的です。

静かな早朝の登校時間を愛する小雪にとって、湊の乱入だけでもストレスなのに、さらに過去のトラウマを呼び起こされる。

湊に悪気がないからこそ、小雪の「誰とも関わりたくない」という防衛本能がより強固になっていく過程が痛々しく描かれていました。

また、職員室のシーンで描かれた「10代を楽しみなさい」という教師の言葉も印象的です。

「普通」の青春を良しとする価値観は、小雪のようなタイプにとっては救いではなく、むしろ追い詰められる言葉でしかない。

そんな彼女の孤独な立ち位置が、直後のシーンで友人たちに囲まれ、スポットライトを浴びるように明るい場所にいる湊と対比されることで、より鮮明に浮き彫りになっていました。

ラストの「連絡先教えて♪」という湊の猛アプローチには、読んでいるこちらまで「近い、近い!」と叫びたくなるような圧力を感じました。

美姫への遠慮や五十嵐への恐怖から、ようやく「距離を置こう」と決心した瞬間に、その決意をあざ笑うかのようなタイミングでの直球。

小雪が浮かべた「苦笑い」には、困惑だけでなく、自分のペースを乱されることへの深い疲弊が滲み出ていて、二人の埋められない価値観の差が今後の波乱を予感させる、非常に密度の濃いエピソードでした。

小雪の静寂を切り裂く、湊の「無自覚な地雷踏み」

第16話で最も小雪に同情してしまったのが、彼女が大切にしていた「早朝の静寂」が、湊の登場と無神経な話題によって無残に切り裂かれてしまったシーンです。

小雪にとって、試験期間の誰もいない通学路は、日頃の対人ストレスから解放され、自分自身を保てる貴重な聖域でした。

しかし、湊はそんな彼女の精神的な結界を「おはよー!」と言わんばかりの明るさで土足で踏み越えてきます。

さらに、沈黙を埋めるために彼が選んだ「五十嵐」という話題は、小雪が最も触れられたくない過去の傷口を抉る、最悪の地雷でした。

湊に悪気がないことは分かっているからこそ、小雪は怒ることもできず、ただ「バッサリ切り捨てる」という形で防衛するしかありません。

湊が良かれと思って提案する「N高が来るけど会う?」という言葉も、小雪にとっては親切心どころか、恐怖を煽る宣告でしかないというギャップが非常に残酷です。

この「無自覚な地雷踏み」によって、小雪は湊に対して、以前感じた「新しい視点をくれる人」という興味よりも、「自分の領域を脅かす危険な乱入者」という警戒心を強めてしまいました。

相手の事情を知らずに距離を詰めすぎる湊のスタイルが、内向的な小雪の心に深い影を落とした、非常にヒリつく一幕でした。

「普通」の押し付けと、小雪の孤独

第16話の職員室のシーンは、小雪が抱える「孤独の正体」を鋭く描き出していました。

「昼休みくらい遊びなさいよ」「10代を楽しんで」という女性教師の言葉は、世間一般ではごくありふれた、温かいアドバイスに聞こえます。

しかし、対人関係に疲れ果て、一人でいることにようやく安らぎを見出している小雪にとっては、その「善意」こそが自分を否定する重圧になってしまいます。

みんなと同じように笑い、群れ、賑やかに過ごすことだけが「正しい青春」であるという無言の圧力。

そこから外れている自分は「異常」なのかという問いが、小雪をさらに追い詰めていきます。

隣にいた男性教師が「その価値観の押し付けに傷つく人もいる」と指摘した通り、彼女にとって学校は、ただ存在しているだけで「普通」を強要される息苦しい場所なのです。

その直後、ロッカーの陰で気配を消そうとする小雪と、友人たちに囲まれて「普通」のど真ん中を謳歌している湊が対照的に描かれます。

湊が小雪を見つけて大きく手を振った時、小雪が感じたのは「見つけてくれて嬉しい」という喜びではなく、衆目に晒される恐怖でした。

「普通」を体現し、それを無邪気に他者にも広げようとする湊と、その「普通」の枠組みから逃げ出したい小雪。

二人の間に横たわる深い溝が、彼女の孤独をより際立たせた切ない場面でした。

圧倒的な距離感の詰め方と「連絡先」の衝撃

第16話のラスト、湊が小雪に放った「連絡先教えて♪」という一撃は、小雪が必死に築いてきた「適切な距離感」を根こそぎなぎ倒していくような衝撃がありました。

小雪は直前に、美姫の湊への想いに気づき、さらには湊から過去のトラウマである「五十嵐」の名前を出されたことで、彼とは「距離を置いた方がいい」と心に決めていました。

しかし、湊はその防御体制が整う暇さえ与えません。友人たちに囲まれ、周囲の視線を一身に浴びるキラキラした場所から、日陰に隠れようとする小雪を無理やり表舞台に引き摺り出し、間髪入れずにプライベートな領域である連絡先を要求する。

その強引さは、小雪のような内向的な人間からすれば、ほとんど「暴力的なまでの明るさ」に感じられたはずです。

湊の凄さは、それが計算された戦略ではなく、呼吸をするように自然に行われている「圧倒的なコミュ力」であるという点です。

小雪が困惑していることも、周囲が「なになに?」と野次馬根性で見ていることも、彼にとっては「フツーのこと」でしかありません。

このシーンで小雪が浮かべた苦笑いには、彼に対する苦手意識だけでなく、自分の決意や防衛策が全く通用しない相手への、諦めに近い疲弊が滲んでいました。

美姫、ヨータ、そして過去の影・五十嵐。複雑に絡み合う人間関係の「矢印」の中に、湊が強引に一本の太い線を引いてしまった。

そんな、今後の関係性を決定づけるインパクトのある幕引きでした。

以上、第16話「距離」の感想考察でした。

次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

まとめ記事

>>「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察

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