今回は、「氷の城壁」第14話「4人」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。
前話については、こちらの「氷の城壁」第13話「融雪」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。
「氷の城壁」第14話「4人」のあらすじネタバレ
美姫のクラスの終礼を待つ間、ヨータの教室でグループチャットを作っていた小雪とヨータ。
そこへ偶然現れた湊は、親密そうな二人を見るなり「付き合ってんの?」とド直球な質問を投げかけ、小雪を激しく動揺させます。
その後、合流した美姫も交え、湊を含めた4人で勉強会をすることになりました。
机を並べて座る中、小雪は美姫が湊に対して「素」の態度で接していることに驚きます。
湊は二日前に彼女に振られた話をあっけらかんと披露し、小雪は内心「サクッと人を振れるタイプなのかな」と彼の軽さに困惑します。
しかし、湊が「いつも振られてばっかり」と自虐的に話したことで、思わず聞き返してしまった小雪は「振られた時はもっと落ち込むものだと思っていた」と正直な疑問をぶつけます。
それに対し、湊は「好きでいてくれてありがと~って感じじゃん?」と笑顔で返し、そのあまりのポジティブ(かつ軽薄)なノリにヨータと美姫はドン引き。
しかし、小雪だけは「そういう考え方の人もいるんだな」と、妙な納得感を覚えるのでした。
「これでも傷ついてるから慰めて」と小雪に顔を近づける湊でしたが、すかさず美姫が湊の顔面を鷲掴みにして阻止し、ヨータも「ミナトの話は聞き流していい」と小雪に助言します。
そんな3人の強固な輪を前に、湊は「俺も混ぜてよ」と満面の笑みを向けます。嵐のように現れて場をかき乱す湊のペースに、小雪はただポカンと圧倒されるばかりでした。
以上、第14話「4人」のあらすじネタバレでした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

「氷の城壁」第14話「4人」のネタバレ感想考察
第14話は、これまで3人で築いてきた穏やかな空間に、雨宮湊という強烈な異分子が放り込まれたことで、一気に空気が塗り替えられた回でした。
まず、湊の圧倒的な「場をかき乱す力」に驚かされます。
「付き合ってるの?」というデリカシーのない質問や、自分の失恋さえもネタにしてしまう軽薄さは、本来なら小雪が最も嫌悪するタイプのはずです。
しかし、彼の底抜けな明るさと「好きでいてくれてありがとう」という極端なまでのポジティブさは、真面目すぎて物事を重く捉えがちな小雪にとって、逆に新鮮で「そういう考え方もあるのか」と毒気を抜かれてしまう様子が非常に興味深かったです。
印象的だったのは、小雪を守ろうとする美姫とヨータの「鉄壁のガード」です。
湊が調子に乗って小雪に顔を近づけた瞬間、美姫が迷わずその顔面を鷲掴みにして物理的に阻止し、ヨータがすかさず「適当に聞き流せ」と助言する。
この一連の流れるような連携プレーからは、二人がいかに小雪を大切に思っているかが伝わり、3人の絆の深さが改めて浮き彫りになっていました。
そんな強固な3人の輪を前にしても、全く物怖じせずに「俺も混ぜてよ」と笑える湊のメンタルの強さは、ある意味で恐ろしさすら感じます。
第12話で見せた彼の「空っぽな孤独」を知っている身としては、この笑顔の裏にどんな意図があるのか、あるいは彼自身がこの温かい輪に本能的に惹かれているのか、目が離せません。
嵐のように現れた湊に圧倒され、ポカンと口を開けている小雪の姿が、これからの4人の関係性がより複雑に、そして賑やかに動いていくことを予感させる、非常にエネルギーのあるエピソードでした。
嵐の転校生ならぬ「嵐の乱入者」雨宮湊
第14話で描かれた雨宮湊の乱入は、まさに「嵐」という言葉がぴったりな、凄まじい破壊力を持っていました。
これまで小雪、美姫、ヨータの3人が、少しずつ、大切に温めてきた「融雪」のような穏やかな空気を、湊は一瞬で塗り替えてしまいます。
挨拶がわりに「付き合ってんの?」とデリカシーのない爆弾を投下し、自分の失恋話すら場の空気を回すための「ネタ」として消費する。
彼の行動は、慎重に相手との距離を測る小雪のスタイルとは対照的で、あまりにも強引です。
しかし、この乱入が単なる迷惑行為で終わらないのが湊の不思議なところです。
彼の「好きでいてくれてありがとうって感じじゃん?」という究極のポジティブ(あるいは虚無的とも取れる)な価値観は、真面目すぎて自分を責めてしまいがちな小雪の思考を、力技で「あ、そんな考え方でもいいんだ」と開放してしまいました。
「攻略対象」として近づいているのか、それとも自分にないものを持つ3人の絆に惹かれているのか。
その真意はまだ見えませんが、物怖じせず「俺も混ぜてよ」と言える彼の図太さと圧倒的なコミュ力は、小雪が築いてきた「城壁」を外側から派手にノックし、無理やり風穴を開けていくような、圧倒的な「乱入者」としての魅力を放っていました。
「鉄壁のガード」で見せる美姫とヨータの絆
雨宮湊という強烈な「異分子」が現れたことで、逆に小雪・美姫・ヨータの3人の間に流れる信頼の深さが、最高な形で浮き彫りになった回でした。
特に、湊が調子に乗って小雪に顔を近づけた瞬間の、美姫の迷いのない「顔面鷲掴み」には痺れました。
反射的に手が出るそのスピード感は、美姫にとって小雪が、誰にも踏み荒らさせてはいけない「守るべき聖域」であることを物語っています。
同時に、向かい側に座るヨータが「適当に聞き流して大丈夫」と、小雪が最も不安になるポイントを即座にフォローする様子も流石でした。
この二人のガードは、単なる嫉妬や排他的な感情ではなく、小雪の繊細な気質を誰よりも理解し、彼女が不快な思いをしないよう、あうんの呼吸で動いている「鉄壁のチームプレー」に見えます。
湊という嵐のような存在が、これまでの3人の安定した空気をかき乱そうとすればするほど、図らずも「この3人の絆は簡単には崩れない」という強固な結束力を見せつける結果となりました。
湊にとっては屈辱的な扱いかもしれませんが、読者としては、小雪の周りにこれほど頼もしい守護者たちがいることに、深い安心感と絆の温かさを感じずにはいられないエピソードでした。
異分子の「軽さ」に当惑する小雪の新しい視点
本来なら、湊のような「チャラくて軽い」タイプは、小雪が最も苦手とし、警戒心を最大にして遠ざけるべき相手のはずです。
しかし、第14話での彼との接触は、小雪の中にこれまでにない不思議な「視点」をもたらしました。
特筆すべきは、湊の失恋に対するスタンスへの反応です。「好きでいてくれてありがとうって感じじゃん?」という、あまりにも執着のない湊の「軽さ」。
普通なら不誠実だと一蹴してしまいそうな言葉ですが、物事を深く考えすぎて、一つの感情に雁字搦めになりやすい小雪にとって、その圧倒的な軽やかさは、呆れを通り越してむしろ新鮮な驚きとして響きました。
「こういう考え方の人もいるんだな」と小雪が妙に納得してしまった瞬間は、彼女を縛っていた「こうあるべき」という重苦しい真面目さに、初めて外からの風が吹き込んだ瞬間でもあります。
湊という異分子の存在は、小雪にとっての「正解」や「常識」がいかに狭い範囲のものだったかを、図らずも突きつける形となりました。
ポカンと口を開けて彼を見つめる小雪の姿は、単なる困惑だけではなく、自分とは正反対の生き方をする人間への、言語化できない知的好奇心のようなものさえ感じさせます。
湊の放つ「軽さ」が、小雪の頑なな城壁を少しずつ、これまでとは違う角度から削り始めていく。
そんな新しい変化の予兆を感じさせる描写でした。
以上、第14話「4人」の感想考察でした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。


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