今回は、「氷の城壁」第84話「夏祭り☆」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。
前話については、こちらの「氷の城壁」第83話「信奉者」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。
「氷の城壁」第84話「夏祭り☆」のあらすじネタバレ
文化祭の準備中の小雪と月子に、隼人と大地が声を掛けてきます。
夏祭りに行かないかと誘ってくる二人の言葉に、乗り気になってしまう小雪と月子は、陽太に美姫も誘おうとしますが、当然に湊も一緒に行くことになってしまいます。
これは気まずい雰囲気と、湊と小雪の関係を知っている陽太と美姫は気まずそうですが、小雪は大丈夫だと、お祭りに私情を持ち込まないようにしていました。
とりあえず、今はそんな事を気にしないで、祭りを楽しもうと屋台に出店を回る小雪達。
でも小雪の心の中には、湊への気持ちを切り離せずにいました。
この気持ちをどうすればいいのかと悩む小雪は、湊への気持ちをこのまま抑えることが出来るのでしょうか?
以上、第84話「夏祭り☆」のあらすじネタバレでした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

「氷の城壁」第84話「夏祭り☆」のネタバレ感想考察
第84話は、賑やかな夏祭りの喧騒とは裏腹に、小雪の心の内で「諦めきれない恋心」と「平静を装う意地」が静かにぶつかり合う、非常に切ない回でした。
隼人や大地からの誘いで始まった夏祭りの計画ですが、湊が桃香と付き合い始めた今、このメンバーで集まることがどれほど過酷な状況であるかは想像に難くありません。
二人の事情を知る陽太と美姫が、かける言葉も見つからないほど気まずい思いをしている中で、あえて「大丈夫だ」と自分に言い聞かせ、公の場に私情を持ち込まないように振る舞う小雪の姿には、彼女なりの気高さと、それ以上に痛々しいほどの無理を感じました。
屋台を回り、一見すれば楽しげな夏休みのワンシーンを過ごしていても、小雪の瞳が追ってしまうのはやはり湊の存在です。
自分の気持ちに蓋をして、ただの「友達」として振る舞おうと必死に努めていても、心の奥底にある湊への想いは、断ち切ろうとすればするほど鮮明に浮かび上がってしまいます。
楽しそうな周囲の笑い声が遠く感じるほど、彼女の孤独は深まっており、この「抑え込むこと」が正解なのかという迷いが、彼女の心をじわじわと蝕んでいく様子が伝わってきました。
これまで築いてきた「城壁」を崩さないために、必死で平穏を装う小雪。
しかし、そんな彼女の願いとは裏腹に、祭りの夜特有の高揚感や切なさが、彼女の防衛本能を少しずつ削っていきます。
自分を騙し続け、湊への気持ちを閉じ込めたままでいることが、本当に彼女にとっての救いになるのか。
屋台の明かりに照らされながらも、心の中では暗い迷路を彷徨い続けている小雪の横顔に、読者として「もうこれ以上、自分に嘘をつかないでほしい」と願わずにはいられませんでした。
祭りという非日常の空間で、彼女の抑え込んできた感情がいつ決壊してもおかしくないような、張り詰めた緊張感が漂うエピソードでした。
無理に演じる「いつもの自分」
湊が桃香と付き合い始めた直後という過酷な状況で、あえて「大丈夫」と微笑み、祭りに私情を持ち込まないよう振る舞う小雪の姿には、彼女なりの気高さと同時に痛々しいほどの無理を感じました。
周囲を心配させまいとする配慮や、今の関係性を壊したくないという強い意志が彼女を動かしていますが、その健気さがかえって彼女自身の心を追い詰めています。
平穏を装えば装うほど、内側に押し込めた悲鳴が透けて見えるようで、読んでいて胸が締め付けられました。
喧騒の中で深まる孤独
屋台を回り、一見すれば楽しげな夏休みのワンシーンを過ごしていても、小雪の瞳がどうしても湊を追ってしまう描写に、断ち切れない想いの深さが表れていました。
周囲の笑い声が賑やかであればあるほど、自分の本当の気持ちを誰にも打ち明けられない小雪の孤独が際立って見えます。
どれだけ「友達」という枠組みに自分を閉じ込めようとしても、祭りの高揚感が皮肉にも彼女の恋心を鮮明に浮かび上がらせ、切り離せない感情との板挟みに苦しむ様子がやりきれません。
決壊寸前の「城壁」
自分の気持ちを抑え込むことが正解だと信じ、必死に自分を騙し続ける小雪ですが、その防衛本能は限界に達しつつあります。
祭りの灯りに照らされながらも、心の中では暗い迷路を彷徨い続けている彼女の横顔からは、いつ感情が溢れ出してもおかしくない危うさが漂っていました。
自分に嘘をつき続けることで保たれる平和が、彼女にとって本当に救いになるのか。静かに、しかし確実に崩れ始めている彼女の心の「城壁」が、物語の次なる波乱を予感させる回でした。
以上、第84話「夏祭り☆」の感想考察でした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。


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