今回は、「氷の城壁」第71話「結び」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。
前話については、こちらの「氷の城壁」第70話「攻・守」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。
「氷の城壁」第71話「結び」のあらすじネタバレ
第71話では、打ち上げ後の花火大会の後に陽太は美姫と二人で何か話すつもりと、気持ちが落ち着かない小雪は、二人はどうなるのかと、落ち着かない様子でした。
陽太の気持ちを知ってしまった美姫。
二人の関係がどうなってしまうのかと、もしこれから気まずい関係になってしまえば、もう仲良く過ごせないのかなと、不安を募らせるばかり。
そしてそんな小雪の気持ちを現わすかのように、空もどんより曇り空になっていき、雨が降り落ちてしまいます。
やがて雨は土砂降りとなり、雨宿りしていた陽太と美姫は、雨宿りをしながら過ごしていました。
雨音が激しく響く中で、陽太は美姫に好きだと告白してしまいます・・・
はたして結果は?
以上、第71話「結び」のあらすじネタバレでした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

「氷の城壁」第71話「結び」のネタバレ感想考察
体育祭の喧騒が嘘のように静まり返り、冷たい雨の音だけが世界を支配する中、ついに物語の歯車が大きく、そして決定的に動きました。
第71話は、小雪が抱く「関係が壊れることへの恐怖」と、陽太が放った「一途な覚悟」が、土砂降りの雨という舞台装置の中で鮮やかに交錯した、まさに激動の回と言えるでしょう。
小雪の不安を映し出すかのように空が暗転し、すべてを洗い流すかのように降り注ぐ雨。
その逃げ場のない雨宿りの空間で、ついに言葉にされてしまった「好き」という感情。
友情という名の安全地帯に留まることを許さない陽太の告白は、あまりにも真っ直ぐで、だからこそ聞いているこちらの胸が締め付けられるような、痛みを伴う美しさがありました。
降り出した不安の雨
小雪の繊細な心境が、どんよりとした曇り空から土砂降りの雨へと変わる天候の描写と完全に見事にリンクしていました。
「もう仲良く過ごせないのかな」という彼女の怯えは、変化を恐れる人間にとっての切実な悲鳴です。
美姫と陽太という、自分にとっての「理想の居場所」が崩れてしまうかもしれない恐怖。
雨脚が強まるにつれて、小雪の心の中の防衛本能が激しく波打ち、どうしようもない孤独感に包まれていく様子が、言葉以上に景色の描写から痛いほど伝わってきました。
逃げ場のない静寂と告白
激しい雨音が周囲の雑音をすべてかき消し、雨宿りをする二人だけの世界が作り出された瞬間、物語の緊張感は頂点に達しました。
陽太にとって、美姫が自分の気持ちに気づいていると分かっていながら、あえて言葉にするのは相当な覚悟が必要だったはずです。
誤魔化すことも、時間を置くこともできたはずなのに、彼はその静寂の中で逃げる道を選びませんでした。
響き渡る雨音を切り裂くようにして放たれた「好きだ」という言葉。
それは、これまでの友情を一度終わらせてでも、彼女と新しい関係を築きたいという、陽太の剥き出しの本音そのものでした。
友情の終焉と運命の岐路
陽太の告白によって、二人の間にあった「心地よい友人関係」は、良くも悪くも二度と元には戻れない境界線を越えてしまいました。
小雪が恐れていた「気まずい関係」になるリスクを承知の上で、それでも自分の心に嘘をつけなかった陽太の純粋さ。
それを受け止める美姫の目の前には、今、広大で未知の選択肢が広がっています。
この雨が上がったとき、二人の間に虹が架かるのか、それともぬかるんだ道が続くのか。
結果を待つ瞬間の、あの張り詰めた空気感は、読者の心にも冷たい雨が染み込んでくるような、強烈な余韻を残しました。
以上、第71話「結び」の感想考察でした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。


コメント