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「氷の城壁」第57話「色違い」のネタバレ感想考察

「氷の城壁」第57話「色違い」のネタバレ感想考察

今回は、「氷の城壁」第57話「色違い」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。

前話については、こちらの「氷の城壁」第56話「変色」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

目次

「氷の城壁」第57話「色違い」のあらすじネタバレ

放課後、いつものように美姫と過ごしていた小雪は、ふとした拍子に明日のツーリングの話題を振られます。「小雪も来ないの?陽太も一緒なんだけど」という美姫の誘い。しかし、小雪は少し困ったように笑い、首を振ります。

「私はいいよ。……バイクの後ろに乗るの、なんだか怖そうだし」

そんな小雪の控えめな反応に、美姫は「相変わらず慎重で可愛いなあ」と、どこか親鳥のような温かい気持ちで彼女を見守っていました。しかし、その後に小雪がこぼした一言が、美姫の心に大きな波紋を広げます。

「陽太くんみたいな、ああいう温かい人になれたらなって……最近よく思うんだ」

それは、孤独の中にいた小雪が、陽太という太陽のような存在に救われ、純粋な敬意を抱いたからこそ出た言葉でした。しかし、恋愛に対して敏感な美姫の耳には、それが「特別な異性への好意」にしか聞こえません。

(えっ、それって……憧れ以上の「好き」ってこと!?)

美姫の中で、「小雪は陽太のことが好き」という巨大な勘違いが爆誕した瞬間でした。親友の恋路を応援しなければという使命感に燃えつつも、一方で「よりによって陽太なの!?」という驚きを隠せません。

翌日、何も知らない陽太とツーリングに出かけた美姫は、小雪の「想い」を背負っているつもりで、隣で無邪気に笑う陽太を複雑な心境で見つめます。そんな美姫の葛藤をよそに、陽太はいつも通り快活にバイクを走らせ、観光地でのグルメや景色を全力でエンジョイしています。

美姫は「この鈍感男に、小雪の繊細な気持ちが務まるの……?」と勝手にハラハラしながら、陽太との楽しい時間にブレーキをかけられずにいました。小雪の不在が、逆に二人の間に奇妙な緊張感(と美姫の一方的な空回り)を生んでいくことになります。

以上、第57話「色違い」のあらすじネタバレでした。

次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

まとめ記事

>>「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察

「氷の城壁」第57話「色違い」のネタバレ感想考察

第57話は、小雪の「自己改革への願い」が、美姫というフィルターを通すことで思わぬ方向へと転がっていく、可笑しくも切ない回でした。

まず、小雪が陽太を「温かい人」と評し、自分もそうなりたいと願うシーンが印象的です。これまでの「孤独こそが安全」だと思っていた彼女が、自分とは正反対の陽太を肯定し、目標にし始めた。これは小雪にとって凄まじい進歩なのですが、あまりに言葉が純粋すぎて、かえって誤解を招くという「氷の城壁」らしいすれ違いが絶妙です。

美姫の「爆速の勘違い」も、彼女がいかに小雪の幸せを願っているかの裏返しで、微笑ましくもあり、今後の波乱を予感させます。親友だからこそ、小雪の些細な変化に敏感に反応し、「これは恋に違いない!」と確信を持ってしまう。そのお節介なほどの優しさが、今はまだ「憧れ」という静かな場所にいる小雪の感情を、無理やり恋愛の土俵に引きずり出してしまう危うさを感じました。

また、そんな美姫の葛藤を露知らず、純粋にツーリングを楽しむ陽太の姿が、物語に明るいコントラストを添えています。小雪が不在だからこそ際立つ、陽太の太陽のような眩しさと、それを見つめる美姫の「親友の好きな人(だと思い込んでいる相手)」への複雑な視線。

「憧れ」と「恋」と「勘違い」。三人の感情が複雑に絡み合いながら、楽しいはずのツーリングがどこか落ち着かない空気を孕んでいく様子が非常に面白かったです。

憧れと恋のすれ違い

小雪が抱いた「陽太くんみたいになりたい」という純粋な敬意が、美姫の視点を通ることで「恋」へと変換されてしまう。この言葉の受け取り方のギャップこそが、まさに「憧れと恋のすれ違い」を象徴しています。

小雪にとっては、自分にない温かさを持つ陽太は、暗い部屋から見上げる太陽のような、道標としての憧れでした。しかし、恋愛を軸に物事を見る美姫にとって、自分を卑下しがちな小雪が特定の異性を肯定することは、恋の始まりに他なりません。

このすれ違いは、小雪がようやく外の世界へ向けて手を伸ばし始めた矢先の出来事であり、彼女の素直な成長が「恋愛」というフィルターで色付けされてしまう、もどかしくも面白い皮肉が効いていると感じました。

美姫の爆速な勘違い

小雪が発した「陽太みたいになりたい」という一言を、美姫が瞬時に「それはもう恋だよ!」と結論づけてしまうスピード感が、彼女らしくもあり、この勘違いの根深さを物語っています。

美姫にとっての小雪は、ずっと「城壁」の中に閉じこもり、他人に興味を示さなかった女の子です。

そんな小雪が初めて「特定の誰か」を肯定し、あまつさえ「その人になりたい」という強い自己投影まで見せた。

恋愛経験の豊富な美姫からすれば、それはもう「恋」の確定演出にしか見えなかったのでしょう。

親友の幸せを願うあまり、点と点を結んで勝手に星座を作ってしまうような、美姫の「爆速すぎる推察」。

その熱量が、まだ自分の感情を整理しきれていない小雪の歩みを、あらぬ方向へ加速させてしまうのではないかという、ハラハラするような滑稽さが際立っていました。

太陽のような陽太の影

ツーリング中、いつも通り誰にでも分け隔てなく明るく接する陽太の姿が、美姫の勘違いをより強固なものにしてしまったのが皮肉でした。

陽太は、小雪が不在であることを寂しがる素振りも見せず、目の前の景色や美姫との会話を全力で楽しんでいます。

その屈託のない「太陽」のような明るさは、小雪が憧れる理由そのものですが、同時に彼の「無自覚な罪作りさ」を際立たせています。

美姫の目には、その眩しさが「小雪の想いに値する、ふさわしい相手」として映り、結果として彼女の応援したい気持ちに拍車をかけてしまいました。

小雪が憧れる光が強ければ強いほど、美姫の心の中に「二人はお似合いだ」という勝手な思い込みの影が濃くなっていく。

当の本人がいない場所で、陽太の魅力が美姫の勘違いを加速させていくという、滑稽でありながらも不穏な構図が描かれたシーンでした。

以上、第57話「色違い」の感想考察でした。

次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

まとめ記事

>>「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察

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