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「氷の城壁」第40話「陰と陽」のネタバレ感想考察

「氷の城壁」第40話「陰と陽」のネタバレ感想考察

今回は、「氷の城壁」第40話「陰と陽」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。

前話については、こちらの「氷の城壁」第39話「大好き」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

目次

「氷の城壁」第40話「陰と陽」のあらすじネタバレ

美姫の事を怪しみ、距離感が開いていた友達達。

自分達は何も悪いことをしていないよねと、最近、昼時に別行動を取ってしまう美姫に罪悪感を覚えていました。

派手なグループと一緒にいた方が楽しいのではと、自分達と無理に付き合っていたのではと、さらにネガティブな事を考えてしまう友達達。

そして私たちに声を掛けられて迷惑をしていたはずだと、最悪な思い込みを加速させてしまいます。

さて、そんな中で美姫は小雪と共にお昼ご飯を保健室で済ませていました。

小雪は美姫の悩みを聞き、そんな連中とすぐに縁を切れば良いと言ってきます。

一人で人を嫌いになれない人間と関わる必要があるのかと、小雪は美姫に対して酷い扱いをする友達達に苛立ちを見せ、慌てて美姫はその子達にも良いところがあると言いますが、小雪は答えます。

良いところがあるからと、それで相手を許してズルズルと引きずれば苦しいだけだと、自分を消費するだけだと美姫の事を心配します。

それは自分の経験から来る、小雪のアドバイスでもあったのです・・・

以上、第40話「陰と陽」のあらすじネタバレでした。

次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

まとめ記事

>>「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察

「氷の城壁」第40話「陰と陽」のネタバレ感想考察

美姫の友人たちが、自分たちの「拒絶」を正当化するために「あの子も本当は私たちといて楽しくなかったはずだ」と思い込もうとする心理描写が、リアルで胸が痛みます。それは美姫を傷つけるためではなく、自分たちの罪悪感から逃げるための自己防衛。

しかし、その無自覚な排除こそが、美姫を最も深く傷つけている事実に誰も気づいていません。

そんな中、保健室というシェルターで小雪が放った言葉は、鋭くも深い慈愛に満ちていました。

「良いところがあるから」と相手を許し、自分を削ってまで関係を維持しようとする美姫の危うさを、小雪は見抜いています。

かつて両親の離婚やいじめで「自分を消費するだけの日々」を経験した小雪だからこそ言える、「自分を守るための絶縁」という選択肢。

それは、どこまでも他人を信じようとする美姫にとっては劇薬ですが、今の彼女を救える唯一の正論なのかもしれません。

小雪の苛立ちは、美姫の友人たちへ向けられたものであると同時に、自分を大切にできない大好きな親友への、悲痛な叫びのようにも聞こえました。

罪悪感が生んだ「拒絶」の正当化

第40話で描かれた友人たちの心理は、悪意よりもさらに厄介な、「自己防衛という名の無意識な加害」でした。

彼女たちは、美姫を遠ざけている自分たちを「冷たい人間だ」と思いたくないがゆえに、「きっと美姫も私たちを迷惑に思っていたはずだ」という身勝手な物語を作り上げ、自分たちの罪悪感を打ち消そうとしています。

「派手なグループの方が楽しいはず」

「私たちとは無理に付き合っていた」……そうやって相手を勝手に「格上」や「別世界の住人」に仕立て上げることで、自分たちの拒絶を「身を引いてあげている」という正当な行為にすり替えていく過程が、あまりにもリアルで空恐ろしいものでした。

美姫が「4つの禁止事項」を守り、必死に周りに気を遣って築いてきた平穏。

しかし、皮肉にもその「気を遣いすぎていた姿勢」が、友人たちの劣等感や不安を刺激し、この最悪な思い込みを加速させる材料になってしまった。

善意で塗り固めた関係が、相手の保身によって「最初から偽物だった」と決めつけられていく。

孤独の中で静かにお昼を食べる美姫の姿を思うと、やりきれない怒りがこみ上げます。

小雪の痛切なアドバイス

保健室という静かな空間で、小雪が美姫に向けた言葉は、これまでの彼女のイメージを覆すほどに鋭く、そして深い愛情に満ちたものでした。

美姫が「あの子たちにも良いところがある」とかばう姿は、一見すると聖母のような優しさです。

しかし、小雪はそれを「自分を消費しているだけ」だと一喝しました。

この言葉の重みは、小雪自身がかつて、周囲の顔色を伺い、理不尽な状況を耐え忍ぶことで、心をすり減らしてきたという実体験があるからこそ、重く響きます。

「良いところがあるから許す」という美姫の思考回路は、裏を返せば、相手の小さな美点のために自分の尊厳を差し出す行為でもあります。

小雪のアドバイスは、決して単なる「縁切り」の勧めではなく、「誰よりもまず、自分を一番に大切にしてほしい」という祈りに近いものでした。

親友が自分を殺してまで他人に合わせようとする歪な姿を、誰よりも近くで見てきた小雪。

彼女の苛立ちは、美姫を傷つける友人たちだけでなく、そんな不遇を「自分のせいだ」と受け入れてしまう美姫の危うさにも向けられていたのでしょう。

自己犠牲という名の連鎖を断つ勇気

美姫が繰り返してきた「自分を殺して周囲に合わせる」という行為。それは優しさに見えて、実は過去のトラウマが生んだ「自己犠牲という名の呪縛」でした。

第40話で小雪が突きつけたのは、その呪縛を断ち切るための、痛烈で切実な勇気です。

美姫は「自分さえ我慢すれば」「自分を偽れば」すべてが円滑に進むと信じてきました。

しかし、その結果待っていたのは、友人たちからの身勝手な誤解と、自分自身の心の摩耗です。

小雪が指摘した「自分を消費するだけ」という言葉は、まさに美姫が陥っていた負の連鎖の本質を突いています。

相手の良さを探して許し続けることは美徳ですが、それによって自分が壊れてしまっては意味がない。

小雪が教えようとしたのは、「自分を嫌う権利を相手に与え、自分もまた相手を拒絶する権利を持つ」という、対等な人間としての勇気です。

ずっと「良い子」であることに縛られ、過去の後悔を埋めるために自己犠牲を続けてきた美姫。

彼女が小雪の経験に裏打ちされた言葉を受け入れ、自分をすり減らす連鎖を自らの手で断ち切ることができるのか。

それは「メッキ」を剥がした後の、本当の彼女が立ち上がるための避けては通れない試練なのだと感じました。

以上、第40話「陰と陽」の感想考察でした。

次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

まとめ記事

>>「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察

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