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「氷の城壁」第38話「メッキ」のネタバレ感想考察

「氷の城壁」第38話「メッキ」のネタバレ感想考察

今回は、「氷の城壁」第38話「メッキ」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。

前話については、こちらの「氷の城壁」第37話「空回り」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

目次

「氷の城壁」第38話「メッキ」のあらすじネタバレ

第38話は「メッキ」と美姫の偽っていた姿が、次第に剥がれてくる感じの内容です。

バイト先の面々と雑談に興じていた美姫を見つけた友達が、いつもの彼女と違う姿に驚いていました。

女性らしい美姫ではなく、まるで男子の様に話す美姫の姿に、いつも学校ではこうではないと言ってしまいます。

学校にいるときはどんな話をすれば良いのかと悩んでしまい、いつも自分の発言に気を遣う美姫は、バイトの先輩の前では気楽に素の自分を出して過ごせていました。

しかしそんな美姫の会話を聞いて、自分達に気を遣っているのと、そう聞いてしまった友達は、気のせいだと慌ててその場を去って行きます。

そんな事を知らない美姫は、心がすっとしたと安堵しながら帰路につき、いつもの様に学校へと登校しますが、友達の雰囲気の変化に気づいてしまいます。

以上、第38話「メッキ」のあらすじネタバレでした。

次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

まとめ記事

>>「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察

「氷の城壁」第38話「メッキ」のネタバレ感想考察

学校という「舞台」では4つの禁止事項を自分に課し、細心の注意を払って「女子らしい美姫」を演じてきた彼女にとって、バイト先は唯一の呼吸ができる場所だったのでしょう。

男子のように気さくに、素の自分をさらけ出せる瞬間。

そこで見せた彼女の本来の輝きが、皮肉にも学校の友人に目撃されたことで、これまでの努力が「裏表のある不誠実なもの」として誤解されてしまう展開が、あまりにも残酷です。

美姫はただ、「周りを傷つけないために、自分を整えていただけ」なのに、それが友人には「自分たちには本音を隠していた」という不信感として映ってしまいました。

善意で塗り固めたメッキが剥がれ、本来の自分(素)を見せた途端に、積み上げてきた人間関係に亀裂が入る。

「心がすっとした」と安堵して登校した彼女を待ち受けていた、友人たちの冷ややかな変化。本当の自分を出せば嫌われ、偽れば苦しい。美姫が追い詰められていくこの状況は、見ていて本当に胸が苦しくなります。

剥がれ落ちた「メッキ」

美姫が高校生活を乗り切るために必死に塗り固めてきた「メッキ」が、ついに剥がれ落ちてしまった第38話。

その剥がれ方が、彼女にとって唯一の解放区であったバイト先での「素顔」だったという点が、何よりも皮肉で切なさを誘います。

学校での彼女は、過去の失敗を繰り返さないために自分を縛り、周囲が望む「女子らしく、おとなしい美姫」を演じてきました。

しかし、本来の彼女はもっと自由で、男子のように快活に笑うエネルギッシュな存在。

その本来の姿(素)が漏れ出した瞬間を友人に目撃され、「学校の姿は偽物だったのか」と不信感を抱かれてしまう展開は、あまりに無慈悲です。

美姫が自分を偽ったのは、決して他人を騙して優位に立つためではなく、「誰も傷つけず、自分も傷つかないための防衛策」でした。

それなのに、その努力が「気を遣わせている」という壁を作り、友人を遠ざけてしまう。

安堵の表情で登校した美姫が直面した「空気の変化」は、彼女が最も恐れていた「居場所の喪失」の始まりを予感させ、読み進めるのが辛くなるほどの緊張感がありました。

唯一の呼吸場所、バイト先の素顔

美姫にとってバイト先は、学校という名の「戦場」で張り詰めた心を唯一緩めることができる、聖域のような場所だったのでしょう。

学校では「4つの禁止事項」という重い鎖を自分に巻きつけ、一言一句に気を遣って「女子らしい美姫」を演じる毎日。

そんな彼女にとって、男子のように気さくに、声を張り上げて笑い合えるバイト先の時間は、止まっていた呼吸をようやく再開できる瞬間でした。

しかし、その「素の自分」が、最も見られたくない学校の友人の目に触れてしまった。

彼女がバイト先で見せていたのは、決して「裏の顔」などではなく、陽太が恋焦がれ、小雪がかつて憧れた美姫本来の生命力です。

それが友人には「自分たちを信頼していない証拠」として映ってしまう。

皮肉にも、美姫が「誰にも迷惑をかけないための気遣い」として守ってきたメッキが、最も無防備で幸せな瞬間をきっかけに剥がれ落ちてしまった。

その残酷な対比が、彼女の孤独をよりいっそう際立たせています。

善意の嘘が招いた誤解の亀裂

美姫がついてきた「嘘」は、誰かを陥れるための狡猾なものではなく、周囲との調和を願ったあまりの「あまりに優しすぎる自己犠牲」でした。

それだけに、その善意が最悪の形で裏目に出てしまった第38話の結末は、読んでいて胸が締め付けられます。

彼女は、過去の失敗から「素の自分は周囲を不快にする」と思い込み、友人たちを傷つけないために自分を殺してきました。

しかし、事情を知らない友人からすれば、バイト先での奔放な姿こそが「本性」であり、学校での姿は「自分たちを欺き、見下して気を遣っていた証拠」に見えてしまった。

「気を遣っているの?」という友人の言葉は、美姫が築き上げてきた平穏な日常に走った決定的な亀裂です。

美姫が良かれと思って塗り固めた「メッキ」が、皮肉にも「信頼の欠如」という誤解を生み、彼女を再び孤立へと追いやっていく。

安堵して登校した彼女を待っていた、冷え切った空気……。

良かれと思ってついた嘘が、最も守りたかった居場所を壊していく皮肉な展開に、救いのない悲しみを感じました。

以上、第38話「メッキ」の感想考察でした。

次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

まとめ記事

>>「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察

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