今回は、「氷の城壁」第26話「変化」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。
前話については、こちらの「氷の城壁」第25話「嗚咽」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。
「氷の城壁」第26話「変化」のあらすじネタバレ
第26話「変化」では、湊が五十嵐に小雪のことを尋ねるところから始まります・・・
そして驚く事に、なんと五十嵐は小雪のことを覚えていない様子です。
知らないフリをしているわけでもなく、そんなヤツはいなかったと、言いきってしまう五十嵐。
しらばっくれている様子も無く、本当に記憶にないみたいですね。
これはどう言うことでしょうか?
小雪が嘘を付いている様子も無く、また五十嵐も本気で覚えている様子も無いと、なんで覚えていないんだと悩んでしまう湊ですが、小雪が告げた、他人に干渉することが面白いのかと言う言葉に、これ以上は考えてはいけないのだと、小雪と五十嵐の関係を追求してはいけないと思っう湊。
でも気になってしまう事には変わりはなく、頭を悩ませていた中で、再び小雪と出会ってしまいます。
昨日は泣いてしまったごめんなさいと謝る小雪に、湊は優しく、誰も気持ちが一杯一杯になってしまえば泣いてしまうこともあると言い、自分は繊細なんだとおどける湊に、笑ってしまう小雪ですが、その笑顔が湊の気恥ずかしさに触れてしまい、彼女を見送った後に照れてしまうほど、湊の感情小雪に対して大きな変化を見せていました。
以上、第26話「変化」のあらすじネタバレでした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

「氷の城壁」第26話「変化」のネタバレ感想考察
まず、五十嵐が小雪のことを「全く覚えていない」という事実に、背筋が凍るような衝撃を受けました。
小雪にとっては、その後の人生を狂わせ、今なお呪いのように縛り付けている地獄のような記憶です。
しかし、加害者側にとっては、それは記憶にすら残らないほど「些細で、日常的な、取るに足らない出来事」だったということ。
この絶望的なまでの温度差こそが、イジメという行為の持つ真の残酷さであり、小雪の存在が彼の中でいかに軽んじられていたかを物語っています。
湊がその違和感に悩みながらも、「これ以上は考えてはいけない」と自制する場面には、彼の成長を感じました。
「知りたい」という自分の欲求よりも、小雪の「干渉されたくない」という願いを尊重しようとする姿勢は、彼が自分本位な救世主から、本当の意味で彼女のパートナーになろうとしている証拠です。
そして、後半の二人の再会シーンは、前話までの重苦しさが嘘のように温かく、微笑ましいものでした。
自分の弱さを「繊細なんだ」とおどけて包み込む湊の包容力と、それを受けて自然に笑い声を上げる小雪。
この二人の間に流れる空気は、確実に「変化」しています。
特に、小雪の笑顔を見送った後に一人で照れまくる湊の姿は、彼がいかに深く、そして自覚的に彼女に惹かれ始めているかを象徴していました。
過去の因縁がどれほど不可解で暗いものであろうとも、今の二人が交わす笑顔の輝きは本物であると、強く信じたくなるエピソードでした。
忘れ去られた地獄、加害者の無関心という残酷
小雪にとっての人生を狂わせた「地獄」が、五十嵐にとっては「存在すらしない記憶」だったという事実は、悪意に満ちた攻撃を受けること以上に残酷な真実でした。
小雪はあの日から、五十嵐に植え付けられた恐怖と向き合い、呪いに縛られるように生きてきました。
しかし、その呪いの主である五十嵐が、彼女の存在すら覚えていないということは、彼女がこれまで一人で戦い、苦しんできた時間の重みが、相手にとっては塵ほどもなかったことを意味します。
「知らないふり」であれば、まだそこに後ろめたさや関心が残っています。
しかし、本気で忘れているということは、小雪が受けた深い傷が、彼にとっては誰かを踏みつけた感触すら残らないほど、取るに足らない出来事だったということ。
この絶望的なまでの無関心こそが、イジメという行為の持つ最も底暗い側面であり、被害者の心を二重に踏みにじる、究極の「残酷さ」であると感じて胸が痛みます。
知りたい欲求より「彼女の願い」を選んだ湊の自制
湊にとって「相手のことを知りたい」と思うのは、彼なりの誠実さであり、これまでの人間関係における必勝パターンでもありました。
しかし、五十嵐のあまりに無神経な反応を目の当たりにし、小雪がかつて放った「干渉することがそんなに面白いの?」という言葉を思い出したとき、彼は踏みとどまりました。
あらすじの中で、湊が「これ以上は考えてはいけない」と自律する姿には、彼が小雪という存在をひとりの対等な人間として、心から尊重し始めたことが表れています。
真実を暴いてスッキリしたいという自分自身の知的好奇心や正義感よりも、小雪が今守ろうとしている心の平穏を最優先にする。
それは、単なる「優しさ」を超えた、深い「愛情」に近い配慮です。
過去の真相を追究して彼女を再び戦わせるのではなく、今目の前にいる彼女の笑顔を守ることこそが自分の役割だと悟った湊。
その「知りたい」を飲み込んだ自制心こそが、彼を単なる傍観者から、小雪が本当に信頼できる唯一の理解者へと進化させたのだと感じます。
照れるほどに眩しい、二人の間に芽生えた新しい予感
あんなに冷え切っていた二人の間に、これほどまで温かく、むず痒いような「予感」が漂う日が来るとは、誰が想像できたでしょうか。
謝罪のあとに見せた小雪の笑顔は、湊にとって、どんな美しい景色よりも眩しく映ったはずです。
自分の冗談に笑ってくれる、そんな当たり前のやり取りが、これまでの紆余曲折を知っているからこそ、奇跡のように輝いて見えます。
あらすじにある「見送った後に照れてしまう湊」の姿こそ、彼がもう単なる同情や正義感ではなく、一人の女性として小雪に心奪われている何よりの証拠です。
過去の暗い謎はまだ消えてはいませんが、今の二人の間には、それを上書きするほどのみずみずしい感情が芽生え始めています。
これまでの「重苦しい空気」が、これからは「心地よい緊張感」へと変わっていく。そんな恋の始まりを予感させる、最高にピュアで前向きな変化でした。
以上、第26話「変化」の感想考察でした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。


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