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「氷の城壁」第11話「3人」のネタバレ感想考察

「氷の城壁」第11話「3人」のネタバレ感想考察

今回は、「氷の城壁」第11話「3人」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。

前話については、こちらの「氷の城壁」第10話「日野陽太」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

目次

「氷の城壁」第11話「3人」のあらすじネタバレ

「氷の城壁」第11話「3人」のあらすじネタバレ
「氷の城壁」第11話より引用

美姫が公民館に到着すると、そこには驚くほど親しげに隣同士で座る小雪とヨータの姿がありました。

自習室の静かな空気の中では詮索できず、美姫はもやもやしたまま勉強を終えます。

帰り道、美姫の疑問が爆発します。

「二人に接点があったの!?」と驚く美姫に対し、ヨータから「怪しい男たちに絡まれていた小雪を助けた」という経緯が語られます。

それを聞いた美姫は「ぶんなぐろーよ!」と自分のことのように憤慨。

また、ヨータが家には3歳の双子の弟妹がいて集中できないため、よく公民館を利用していることも明かされます。

自販機の前でヨータがジュースを奢ることになりますが、美姫がスッと横からボタンを押した瞬間、なぜかヨータが小銭をバラまいてしまうというハプニングが発生。

遠慮する小雪に、美姫は「同じものを飲んで一緒においしいって言いたいから」という理由で、自分とお揃いの「おしるこ」を選びます。

ベンチでお喋りする3人。

ヨータと美姫、そして雨宮湊が、かつて同じ塾に通っていた旧知の仲であることが語られます。

「氷の城壁」第11話より引用

ヨータは、美姫の真似をして小雪を「こゆん」と呼び、自分も「ヨータ」と呼び捨てにしてほしいと提案します。

美姫の「美姫って呼ばれる方が落ち着く」という言葉にも背中を押され、小雪はついに彼を「ヨータ」と呼ぶことに。3人の絆が深まる、温かな放課後となりました。

「氷の城壁」第11話より引用

一方、場面は変わり雨宮湊の自室。

女子からの「今から会えない?」という電話に対し、湊は「うん、わかった」と承諾します。しかし、その表情は学校で見せるものとは正反対の冷酷なものでした。

「思ったより早かったな」と独りごちる湊。彼の不穏な動きを予感させ、物語は次回へ続きます。

以上、第11話「3人」のあらすじネタバレでした。

次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

まとめ記事

>>「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察

「氷の城壁」第11話「3人」のネタバレ感想考察

第11話は、読者が待ち望んでいた「小雪・美姫・ヨータ」の3人がついに合流し、賑やかで温かい青春の光景が広がる、癒やしと期待の回でした。

まず、美姫のコミュ力と友情の深さが光っていました。

小雪とヨータが仲良くなっていることに仰天しつつも、すぐに「ぶんなぐろーよ!」と怒ってくれる情の深さは、小雪にとって何よりの救いです。

また、飲み物を選ぶ際の「同じの飲んで一緒においしいって言いたい」という言葉。

相手の遠慮を汲み取りつつ、自分の「好き」で包み込む美姫の優しさには、思わず胸が熱くなりました。

そして、ヨータの意外な一面も魅力的でした。

家に3歳の双子がいるという家庭的な背景が、彼のあの落ち着いた「お兄ちゃん感」に繋がっているのだと納得です。

一方で、美姫が横から手を伸ばしただけで小銭をバラまいてしまうという、少し抜けた(あるいは動揺しやすい?)一面もあり、彼というキャラクターがさらに多面的に見えてきました。

呼び名の変化も重要なポイントです。

「こゆん」「ヨータ」と呼び合うことで、小雪の「城壁」の中に初めて美姫以外の「異性という名の友人」が招き入れられました。

小雪が少しずつ、自分から他人に踏み出す一歩を応援したくなる名シーンです。

しかし、その温かさを一瞬で凍りつかせたのが、ラストの雨宮湊です。 

これまでの爽やかな「王子様」の面影は微塵もなく、冷酷な眼差しで「思ったより早かったな」と呟く姿。

女子からの電話を「処理」すべきタスクのように扱う彼の内面には、一体どんな闇が広がっているのでしょうか。

3人の純粋な友情が深まれば深まるほど、その輪の外で冷たく笑う湊の存在が、鋭いトゲのように心に刺さる……。

光と影のコントラストが実に見事なエピソードでした。

「こゆん」と「ヨータ」!呼び名が変える心の距離

第11話において、小雪の「氷の城壁」がまた一つ柔らかく溶けたことを象徴するのが、この「呼び名の変化」でした。

他人と距離を置くことで自分を守ってきた小雪にとって、名前を呼ばれること、そして相手を名前で呼ぶことは、相手のパーソナルスペースに踏み込み、自分のスペースへ招き入れるという非常に勇気のいる行為です。

まず、ヨータが美姫の真似をしてさらっと「こゆん」と呼び始めたシーン。

これはヨータの計算のなさと、相手を懐に入れる「天性の人懐っこさ」がなせる業です。

苗字で「氷川さん」と呼ばれるうちはどこか「クラスメイト」という境界線がありますが、美姫だけが使っていた特別な愛称をヨータも共有することで、3人の間に「共通の絆」が生まれた瞬間でした。

そして、小雪が彼を「ヨータ君」ではなく「ヨータ」と呼び捨てに決めた場面。

 ここで美姫が「私も『美姫』のが落ち着く」と、呼び捨ての方が親密で安心できるという価値観を提示したことが大きな鍵でした。

小雪にとって「呼び捨て=馴れ馴れしい」という警戒対象だったものが、美姫とヨータという信頼できる二人を通じて「呼び捨ては親愛の証」へとアップデートされたのです。

自分の意志で「ヨータ」と呼ぶことに決めた小雪の表情には、少しの照れと、それ以上の喜びが見えました。 

「こゆん」と「ヨータ」。

この呼び名が定着したことで、3人の関係はもう「友達のフリ」や「知り合い」ではなく、お互いの素顔を見せ合える「本当の居場所」になったのだと感じさせられる、非常に尊い変化でした。

「おしるこ」に込められた美姫の深い愛

第11話の自販機のシーンで、遠慮する小雪(こゆん)のために美姫が選んだ「おしるこ」。

この何気ない場面には、美姫という少女の「相手を孤立させない優しさ」が凝縮されていました。

小雪は、他人から何かをしてもらうことに慣れておらず、つい「自分はいいよ」と一歩引いてしまう癖があります。

そんな彼女に対して、美姫は「じゃあいいよ」と引き下がるのでもなく、無理やり押し付けるのでもありませんでした。

「同じの飲んで一緒においしいって言いたい」

この美姫の言葉は、小雪にとって最高に救いになる一言だったはずです。 

ただ「奢ってあげる」という施しではなく、「自分と一緒に同じ体験をしてほしい」という願い。これなら、受け取る側も「申し訳なさ」ではなく「共有する喜び」として、素直に甘えることができます。

また、小雪が好きなコンポタではなく、あえて「自分もおしるこが飲みたいから」と同じものを選んだ点も美姫らしいです。

相手を「気を遣わせる対象」として扱うのではなく、対等な立場で「一緒に楽しもう」と誘う。

この美姫の「強引で、でも温かい愛情」があるからこそ、小雪の頑なな氷も少しずつ溶けていくのでしょう。

3人でベンチに座り、同じ温かい缶を手に持ちながらおしゃべりする時間。

その中心にあった「おしるこ」の甘さは、そのまま3人の間に流れ始めた温かな絆の象徴のようでした。

小雪にとって、ただの飲み物以上の「幸福の味」として記憶に刻まれたに違いありません。

雨宮湊、仮面の裏の「冷徹な本性」

第11話のラスト数ページは、それまでの温かな3人の放課後をすべて塗りつぶしてしまうほどの、強烈な冷気を放っていました。

学校で見せる雨宮湊は、誰にでも優しく、爽やかで、周囲の空気を完璧にコントロールする「王子様」のような存在です。

しかし、自室で電話に出た彼の表情には、その面影は微塵もありませんでした。

女子からの切実な訴えに対し、一切の感情を排した声で応じる姿は、まるで壊れた機械を処理するかのような冷徹さを感じさせます。

特にゾッとしたのは、電話を切った後の「思ったより早かったな」という独り言です。

この一言は、彼が目の前の人間を血の通った個人としてではなく、自分の予測した通りに動く「駒」や、攻略対象の「データ」としてしか見ていないことを露呈させています。

小雪に対して「鍵師」として近づこうとしていた情熱さえも、純粋な好意ではなく、難攻不落の城壁をどう崩すかという「ゲーム」としての執着だったのではないか、という疑念が確信に変わる瞬間でした。

小雪、美姫、そして親友であるはずのヨータ。

彼らが「おしるこ」を飲みながら純粋に心を触れ合わせている一方で、湊だけは一人、冷たく計算高い世界に住んでいます。

彼が女子との間で何を「仕掛けて」いたのか、そしてその矛先がいつ3人の平穏に向けられるのか。

「爽やかな人気者」という仮面の下に隠された、底知れない孤独と傲慢さ。

雨宮湊というキャラクターが持つ、物語の「毒」としての魅力が本格的に動き出した、戦慄のエピソードでした。

以上、第11話「3人」の感想考察でした。

次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

まとめ記事

>>「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察

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