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「氷の城壁」第9話「遭遇」のネタバレ感想考察

「氷の城壁」第9話「遭遇」のネタバレ感想考察

今回は、「氷の城壁」第9話「遭遇」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。

前話については、こちらの「氷の城壁」第8話「幼馴染」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

目次

「氷の城壁」第9話「遭遇」のあらすじネタバレ

「氷の城壁」第9話より引用

早朝の学校で、小雪は幼馴染の美姫のノートを間違えて持ち帰ってしまったことに気づきます。

ノートを返すため美姫のクラスである5組を訪れた小雪ですが、教室の入り口で大柄な男子・ヨータと衝突してしまいます。

「氷の城壁」第9話より引用

倒れそうになった小雪をヨータが間一髪で支えますが、彼はそのまま小雪を睨みつけるように顔を極限まで近づけてきました。

至近距離での威圧感に、小雪は幼少期に動物園でキリンに餌をあげようとして顔を近づけられた時の恐怖を思い出して硬直します。

しかし、実はヨータがコンタクトを忘れており、近づかないと相手の顔が見えなかっただけでした。

小雪が以前カレードリンクを飲んでいた子だと気づいたヨータは、一転して笑顔で話しかけます。

美姫を呼び捨てにするヨータに驚きつつも、どこか憎めない彼の雰囲気に、小雪は珍しく好印象を抱くのでした。

放課後、美姫と公民館で待ち合わせた小雪でしたが、極度の方向音痴が災いして道に迷ってしまいます。

スマホを見ながら困り果てている小雪に、いかにも怪しい男たちが声をかけ、無理やり車に乗せようとするという絶体絶命のピンチが訪れます。

恐怖で焦る小雪の視界に、対向車道を歩くヨータの姿が入ります。

「氷の城壁」第9話より引用

助けを求めようと手を挙げかけますが、彼の名前を知らない小雪は、声を出すことができず呆然と立ち尽くしてしまいます。

救世主を目の前にしながら助けを呼べないという、最悪の状況で物語は次回へ続きます。

以上、第9話「遭遇」のあらすじネタバレでした。

次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

まとめ記事

>>「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察

「氷の城壁」第9話「遭遇」のネタバレ感想考察

第9話は、コミカルな新キャラクターとの出会いから、一転して背筋が凍るようなサスペンス展開へとなだれ込む、非常に密度の高い回でした。

まず、ヨータとの再会シーンが秀逸です。

至近距離で睨まれるという「恐怖」が、実は「ただのド近眼だった」というオチに変わるギャップは、ヨータという人物の裏表のなさを象徴しているようで、読んでいて安心感を覚えました。

小雪がその圧を「キリンの餌やり」に例える独特な感性も、彼女らしくて微笑ましいです。

湊のような「狙って近づいてくる」タイプとは違い、自然体でどこか適当なヨータに対し、小雪が初対面で「好印象」を抱いたのは、彼女の防衛本能がヨータに「悪意」を感じなかったからこそかもしれません。

しかし、後半の展開は一気に不穏な空気に包まれます。

美姫という「ヒーロー」がいない時に、小雪の「方向音痴」と「どんくささ」が、最悪の形で裏目に出てしまいました。

単なるナンパではなく、車に乗せられそうになるという描写は、これまでの学校生活での悩みとは一線を画す「本物の危機」です。

最ももどかしかったのは、目の前にヨータという救世主がいながら、小雪が「名前を呼べない」ために助けを求められないシーンです。

学校での人付き合いを避けてきたことが、生存に関わるような大ピンチで「名前が分からない」という致命的な欠陥となって返ってくる。

小雪の「不器用さ」が、これほどまでに残酷な結果を招くのかと、ハラハラが止まりませんでした。

ヨータの「ド近眼」という設定が、このピンチを救うきっかけになるのか、それとも事態をより悪化させるのか。

小雪の平穏が根本から脅かされる展開に、一刻も早く続きを読みたくなる回でした。

ヨータの「0距離」遭遇とキリンのトラウマ

第9話の前半で描かれたヨータとの衝突シーンは、本作の中でも屈指のコミカルさと、小雪の内面がよくわかる名シーンでした。

倒れそうになったところを支えてもらうという「王子様的なシチュエーション」かと思いきや、待っていたのは至近距離でギロリと睨みつけられるという恐怖体験。

この時の「キス手前」という極限の距離感が、ロマンチックではなく「脅威」として描かれるのが本作らしいリアリティです。

小雪がこの圧迫感を、幼少期の「キリンの餌やり」の記憶と重ね合わせる描写には、思わず笑ってしまうと同時に、彼女がいかに「物理的な圧」や「予期せぬ接近」に対して繊細で、強い恐怖を感じるタイプなのかがよく伝わってきました。

しかし、その睨み顔の理由が「コンタクト忘れで何も見えなかっただけ」というあまりにマぬけな理由だったことで、一気に緊張が解けます。

この「ド近眼」という設定が、ヨータというキャラクターに一気に親しみやすさを与えました。

湊のような計算高い「狙った接近」ではなく、ヨータのそれはあくまで「不可抗力」によるもの。

この裏表のなさが、警戒心の強い小雪の「城壁」を、本人が気づかないうちにスッと通り抜けさせた理由かもしれません。

「氷室さん」という絶妙に間違った呼び方や、にへら~とした笑顔。

ヨータの持つ「適当で温かい空気」は、キリンに怯える子供のような小雪の心を、一瞬だけ解きほぐしたように見えました。

この微笑ましい遭遇が、直後の絶望的なピンチにおいて「名前を呼べない」という残酷な壁にぶつかってしまう前振りになっているのが、物語として非常に秀逸で、もどかしさを倍増させています。

「美姫」呼びに潜む、ヨータの意外な交友関係

第9話で小雪が最も引っかかりを覚えたポイントであり、読者にとっても驚きだったのが、ヨータが安曇美姫のことを当たり前のように「美姫」と呼び捨てにしていた点です。

ヨータは6組、美姫は5組とクラスが異なるにもかかわらず、彼は美姫の席の場所まで正確に把握していました。この事実は、ヨータが単なる「湊の付き添い」ではなく、彼自身もかなり広範でフランクな対人関係を築いていることを示唆しています。

特に、美姫を呼び捨てにするという行為は、二人の間に一定以上の親密さ、あるいは「幼馴染」や「中学が同じ」といったバックボーンがある可能性を感じさせます。

湊のような「狙いを定めて距離を詰める」タイプとは違い、ヨータの場合は、その飾らない性格ゆえに自然と周囲に人が集まり、気づけば誰とでも下の名前で呼び合うような、天然のコミュニケーション能力を持っているのでしょう。

小雪にとって美姫は、自分だけが理解している唯一無二の「聖域」のような存在です。

そのため、ヨータがその聖域に土足で(しかし悪気なく)入り込んでいる様子は、小雪に小さな困惑と、ヨータという人間への未知の興味を抱かせたはずです。

「美姫の友達?」という問いかけに、適当そうでいて実は相手をよく見ているヨータの鋭さも垣間見えました。

この意外な交友関係の広さが、後半の拉致寸前という絶望的な状況において、小雪と彼を繋ぎ止める唯一の「細い糸」となっているのが皮肉でもあり、希望でもあります。

彼が美姫を知っているからこそ、この後小雪の異変に気づけるのかどうか。ヨータという人物の底知れなさが、物語に新たな深みを与えたエピソードでした。

「美姫」呼びに潜む、ヨータの意外な交友関係

第9話で小雪が最も引っかかりを覚え、読者も驚かされたのが、ヨータが安曇美姫のことを当たり前のように「美姫」と呼び捨てにしていた点です。

ヨータは6組、美姫は5組とクラスが分かれているにもかかわらず、彼は美姫の席の場所まで正確に把握していました。

この事実は、ヨータが単なる「湊の親友」というポジションに留まらず、彼自身もかなり広範で、かつフラットな対人関係を築いていることを示唆しています。

特に、美姫を呼び捨てにするという行為は、二人の間に一定以上の親密さがあることを物語っています。

湊のような「計算して距離を詰める」タイプとは違い、ヨータの場合は、その飾らない性格と適当な(良い意味での)緩さゆえに、気づけば誰とでも下の名前で呼び合うような、「天然の壁のなさ」を持っているのでしょう。

小雪にとって、美姫は自分だけが心を開ける唯一無二の親友であり、一種の「聖域」です。

そのため、ヨータがその聖域に土足で(しかし全く悪気なく)入り込んでいる様子は、小雪に小さな困惑を与えると同時に、「この人は一体何者なんだろう?」という、彼女らしからぬ興味を抱かせたはずです。

「美姫の友達?」という問いかけ。適当そうに見えて、実は小雪の持っているノートから瞬時に人間関係を推測するヨータの鋭さも垣間見えました。

この「美姫を知っている」という共通点が、ラストの絶体絶命のピンチにおいて、小雪と彼を繋ぎ止める唯一の希望となっているのが非常にドラマチックです。

ヨータという人物の「底の知れなさ」と、美姫を介した意外な繋がりが、今後の物語を大きく動かす鍵になることを確信させるエピソードでした。

以上、第9話「遭遇」の感想考察でした。

次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

まとめ記事

>>「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察

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