今回は、「氷の城壁」第77話「引き金」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。
前話については、こちらの「氷の城壁」第76話「矢印3」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。
「氷の城壁」第77話「引き金」のあらすじネタバレ
湊と共にライブへと訪れた桃香は、サッカー部の友達を紹介され、そのままライブ会場へと入っていきます。
でも二人っきりで過ごしたい桃香にとって、湊の友達はお邪魔虫と、あんまり楽しそうではありませんでした。
ライブになれば、人混みに紛れて二人っきりになれると、そんな想いを抱いていた桃香でしたが、湊は陽太が来たと、彼を迎えに行ってしまいます。
湊と一緒に過ごせないと、ご機嫌斜めな桃香。
やがてライブは盛り上がり、観客もヒートアップしていき、最高潮のテンションで会場は沸いてしまいますが、激しい人の波が桃香に襲い掛かってきます。
あわや潰されてしまうと、身構える桃香でしたが、寸前のところで湊が身体を張って守ってくれました。
そんな湊に頬を赤く染めてしまう桃香。
二人の関係は何処へと向うのでしょうか?
以上、第77話「引き金」のあらすじネタバレでした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

「氷の城壁」第77話「引き金」のネタバレ感想考察
第77話は、桃香の湊に対する独占欲と、それに応える湊の無自覚な格好良さが鮮烈に描かれた回でした。
二人きりで過ごしたい桃香にとって、湊の友人たちは自分の世界を邪魔する存在でしかなく、せっかくのライブ会場でも陽太を優先しようとする湊に苛立ちを隠せない桃香の姿には、恋する少女らしい身勝手さと健気さが同居していました。
人混みに紛れて湊を独り占めしようと企む彼女の執着心は、小雪の臆病な恋とは対照的で、その強引さが物語に新しい熱量を与えています。
しかし、そんな桃香の不機嫌を一瞬で溶かしてしまったのが、ライブの熱狂の中で起きたアクシデントでした。
押し寄せる人の波に呑まれそうになり、恐怖に身構える桃香を、湊が文字通り身体を張って守り抜くシーンは、読んでいるこちらも心拍数が上がるほどの衝撃がありました。
湊にしてみれば、困っている相手を助けるという彼らしい誠実な行動に過ぎないのでしょうが、守られた桃香にとっては、それこそが求めていた「特別な瞬間」になったはずです。
頬を赤く染める桃香の反応を見ていると、彼女の湊への想いが単なる憧れから、より深く、引き返せない場所まで加速してしまったことが分かります。
一方で、湊は相変わらず自分の行動がどれほど相手の心を揺さぶっているかに無頓着で、その「無自覚な優しさ」こそが、小雪や桃香、そして周囲の人間関係をさらに複雑にかき乱していくのだと改めて痛感しました。
桃香がこの一件で自信を深め、より積極的に湊へ踏み込んでいくのか、あるいは小雪たちがこの急接近を知ることになるのか。二人の距離が物理的にも心理的にも縮まったことで、四人のバランスが崩壊していく予感に、目が離せなくなるエピソードでした
独占欲と期待外れのライブ
二人きりで過ごしたい桃香にとって、湊の友人の登場は計画を狂わせる邪魔者でしかなく、不機嫌を隠さない彼女の姿が非常に印象的でした。
人混みに紛れて湊を独り占めしようと目論むあたり、彼女の恋に対する執着心は、小雪の臆病な姿勢とは正反対の強さを持っています。
陽太を優先する湊の誠実さが、皮肉にも桃香の独占欲を刺激し、苛立ちを募らせていく様子には、恋する少女の身勝手さと健気さが入り混じった熱量を感じました。
無自覚なヒーローの救出劇
ライブの熱狂の中で押し寄せる人の波から、湊が身体を張って桃香を守り抜いたシーンは、物語の空気を一変させるほどのインパクトがありました。
恐怖に身構える彼女を無我夢中で庇う湊の行動は、彼本来の優しさから来る自然なものでしょう。
しかし、絶体絶命の瞬間にかばわれた桃香にとって、それは単なる助け以上の、決定的な「特別な瞬間」になったはずです。
この無自覚な格好良さが、相手の心に深い火を灯してしまう残酷さに、読んでいて胸が熱くなりました。
頬を染めた確信と加速する恋
湊の逞しさに触れ、頬を赤く染めた桃香の姿からは、彼女の想いが一段階上のステージへ進んだことがはっきりと伝わってきました。
守られたことで生まれた安心感と高揚感は、彼女に大きな自信を与えたに違いありません。
一方で、湊は相変わらず自分の行動がどれほど相手を揺さぶっているかに無頓着であり、その温度差が今後の火種になりそうな予感がします。
二人の距離が急接近したことで、小雪たちを含めた四人のバランスが本格的に崩れ始めるのではないかという、緊張感漂う幕切れでした。
以上、第77話「引き金」の感想考察でした。
次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。


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