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「氷の城壁」第24話「相容れない」のネタバレ感想考察

「氷の城壁」第24話「相容れない」のネタバレ感想考察

今回は、「氷の城壁」第24話「相容れない」を読んだ感想考察(ネタバレ有)記事です。

前話については、こちらの「氷の城壁」第23話「苦渋」のネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

目次

「氷の城壁」第24話「相容れない」のあらすじネタバレ

第24話「相容れない」とタイトルが示すとおりに、小雪と湊の関係はまさに相容れない関係とも言えるでしょう。

小雪との会話の中で何気に言ってしまった五十嵐の事と、小雪の表情の変化に、流石の湊も色々と察したのか、これはタブー中のタブーだったと、小雪の触れてはいけないことに触れてしまったと失言を悔いていました。

湊は小雪ともっと深く関わりたいと願っており、彼女の事を知りたいと思うも、まさかの悪手となる五十嵐のことを聞いてしまうと・・・これは完全にやらかしてしまいます。

今まで小雪みたいなタイプとの会話をしていなかったせいで、上手くいつもの自分で立ち回れないと、悩んでいる様子で進んでいきます。

そして自分の欺瞞で彼女を傷つけてしまったかと悩みながらも、なんで自分を拒絶するのかと苛立ちも見せてしまいます。

複雑な心境の中で、もう小雪と関わらない方がいいのかもと、思っていた矢先。

偶然にも小雪と会ってしまいますが、何も挨拶をせずに通り過ぎてしまう湊。

そんな彼を止めようと小雪は腕を掴んで引き留め、

「ごめんなさい!」

頭を下げて謝ってきました。

予想外の行動に茫然とする湊。

はたして仲直り出来るのでしょうか?

以上、第24話「相容れない」のあらすじネタバレでした。

次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

まとめ記事

>>「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察

「氷の城壁」第24話「相容れない」のネタバレ感想考察

第24話「相容れない」というタイトルが示す通り、湊と小雪という、生きる世界の異なる二人が直面した決定的な断絶と、そこからの泥臭い足掻きが描かれた非常に密度の濃い回でした。

これまで天性の明るさと社交性で、どんな相手とも距離を縮めてきたはずの湊が、小雪という「不可侵の領域」を持つ存在を前にして、初めて自分の立ち振る舞いに激しく苦悩する姿が印象的です。

彼にとって「相手を知りたい」という欲求は、これまでは良好な関係を築くためのプラスのエネルギーでしたが、それが小雪に対しては最悪の「失言」となり、彼女のトラウマを抉る牙になってしまった。

自分の配慮のなさを悔いながらも、同時に「なぜこれほどまでに拒絶されるのか」という苛立ちを隠せない湊の人間臭い葛藤は、彼もまた一人の未熟な少年であることを突きつけてきました。

また、湊が抱いた「自分を欺瞞(ぎまん)に感じ、もう関わらない方がいいのではないか」という諦めに似た境遇は、小雪との関係がもはやこれまでの「楽しい交流」の域を超え、互いの内面に深く踏み込む段階に来たことを物語っています。

無言で通り過ぎてしまうほどに冷え切った空気感には、このまま二人が決定的に「相容れない」まま離れてしまうのではないかという、絶望的な緊張感が漂っていました。

しかし、その沈黙を打ち破ったのが、誰でもない小雪自身の行動だったことに、深い感動を覚えずにはいられません。

他者との接触を何よりも恐れ、壁の中に閉じこもることで自分を守ってきた彼女が、湊の腕を掴み、頭を下げて「ごめんなさい」と言葉を絞り出す。

それは、彼女が過去の呪縛に打ち勝ち、自分自身の足で「今、目の前にいる大切な人」との繋がりを守ろうとした、精一杯の、そして最大限の勇気でした。

呆然とする湊の表情は、読者の驚きそのものです。この一言が、冷え切った二人の間に再び体温を通わせるきっかけになるのか、彼女の震えるような誠実さが湊にどう届くのか、目が離せない展開となりました。

届かない言葉、すれ違う二人の正解

湊にとっての「知りたい」という善意が、小雪にとっては「触れられたくない」という拒絶に変わってしまう。

お互いに相手を想っているはずなのに、良かれと思って取った行動がことごとく裏目に出てしまう展開は、まさに「相容れない」二人の現実を残酷に描き出していました。

湊は、小雪の心を癒やしたい、理解したいという彼なりの「正解」を持って踏み込みましたが、それが彼女が最も守りたかった聖域を土足で踏み荒らす結果となってしまいました。

一方で小雪も、自分を守るための「正解」として壁を作りましたが、それが湊を深く傷つけ、絶望させてしまう。

どちらかが悪いわけではないからこそ、この「すれ違い」は見ていて本当に胸が苦しくなります。正しさが一つではない関係性の中で、言葉を尽くそうとすればするほど、二人の距離が遠ざかっていく。

そんな埋めようのない溝を前に立ち尽くす二人の姿は、人間関係の難しさと切なさを凝縮したような、痛々しいほど純粋な葛藤として心に響きました。

湊の迷いと、あきらめかけた心の距離

これまでどんな相手とも「正解」を見つけてうまく付き合ってきた湊にとって、小雪との間に生じた摩擦は、彼のアイデンティティを揺るがすほどの衝撃でした。

小雪を傷つけた自覚と、どうあがいても縮まらない距離。自分のアプローチがすべて裏目に出る状況で、湊の心には「自分は彼女にとって害でしかないのではないか」という自己嫌悪と、差し出した手を拒まれ続けることへの隠しきれない苛立ちが渦巻いています。

「もう関わらない方がいいのかも」という諦めは、決して投げやりな気持ちからではなく、これ以上彼女を傷つけたくないという歪んだ優しさと、自分自身の心が折れかけていることの裏返しでもありました。

偶然再会しても挨拶すらできずに通り過ぎてしまったあの数歩の距離は、二人の間に横たわる、物理的な距離以上に遠く絶望的な「心の断絶」を象徴しているようで、見ていて胸が締め付けられました。

小雪の勇気、震える声で告げた「ごめん」

湊の腕を掴み、絞り出すように告げた「ごめんなさい」という言葉は、小雪がこれまでの人生で築き上げてきた巨大な城壁を、自らの手で崩した歴史的な一歩でした。

他人に触れること、そして自分の感情を露わにすることが何よりも怖かったはずの彼女が、去りゆく湊の背中を「行かせたくない」と強く願って引き留めた事実に、震えるほどの感動を覚えます。

頭を下げて謝るという行為は、自分の弱さをさらけ出し、相手の懐に飛び込む勇気が必要です。

もしここで再び拒絶されたら、彼女の心は二度と立ち直れないほど砕けてしまったかもしれません。それでも彼女は、湊を失うことの悲しさが、過去のトラウマへの恐怖を上回ったからこそ、声を上げることができたのでしょう。

あの「ごめん」という一言には、自分の勘違いへの謝罪だけでなく、湊が向けてくれた関心に対して正面から向き合いたいという、彼女の精一杯の誠意が込められています。

暗闇の中で独りきりだった小雪が、光の中にいる湊を自ら引き寄せたその瞬間。

震える声とともに差し出された彼女の勇気が、二人の間に立ち込めていた凍てつく霧を、優しく、けれど劇的に溶かし始めることを願わずにはいられない、最高に純粋で美しい場面でした。

以上、第24話「相容れない」の感想考察でした。

次の話は、こちらの「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察をどうぞご覧ください。

まとめ記事

>>「氷の城壁」全話ネタバレ感想考察

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